光によって私に明示せられるあらゆることは、例えば、私が疑うということから私は有るということが帰結すること、その他これに類することは、決して疑わしいものであることができない。なぜなら、この光と同等に私の信頼し得るような、またこの光によって私に明示せられることを真でないと私に教え得るような、いかなる他の能力も有り得ないからである。しかるに自然的傾動についていえば、私は以前にすでにしばしば、善を選ぶことが問題であった場合に、私がこの傾動によりいっそう悪い側に動かされた、と判断したのであって、何故に私はかかる傾動に或る他のことにおいていっそう多く信頼すべきかを理解しないのである。
次に、たといそれらの観念が私の意志に依繋しないにしても、だからといってそれらが必然的に私の外に横たわるものから出てくるということは確かではない。なぜなら、私がたったいま述べた、かの傾動は、私のうちにあるとはいえ、私の意志とは別のものであると思われるが、同じようにおそらくまた、それらの観念の生産者として、何か他の、未だ私に十分に認識せられていない能力が私のうちにあるかもしれないからである。あたかもこれまでつねに私には
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