寒さうぢやないか、子供部屋へお出で、ストーヴの上にコーヒーの熱いのがあるわよ。(保姆は左手の室に入る。ノラ、子供の着物を脱がせて、そこら中に投げ出す。イ※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]ール「ボブちやんさつきの犬こはかつたね」ボブ「でもあの犬食いつきやしなかつたよ」)さう! 大きな犬が家まで追つかけて來たつて? けれどもエンミーに食ひつかなかつたつて? あゝ、犬はね、エンミーのやうないゝ子に食ひつきませんて。いけませんよ、イ※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]ールはその包を覗いちや。何だらうねえ、見たかなくつて? (イ※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]ールさはつて「何かしら」[#「何かしら」は底本では「何かいら」])あゝ、用心おし、食ひつくよ。(ボブ「遊ばうよ/\」他の子も一緒に)え! お母さんも一緒に遊ぶのかい? 何をして遊ばうね(イ※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]ール「かくれんぼしよう」)隱れんぼ? はいはい隱れんぼをしませう。ボブが先に隱れるのですよ。私が? ぢやあ私が先に隱れますよ。
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(ノラ子供と一緒になつて、その室と右手隣室で笑ひ聲叫び
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