眞實《まこと》に答へる人の眞實《まこと》が愛である。その愛がこの世の曇りに光を失ひつつしかも信頼として現在に輝くのが信仰、期待として行くへを照すのが希望である。人格の同一性は主體が本來無造作に所有する性質又は資格ではなく、この世においては、人間の側よりみれば、ただ渾身の努力をもつてわづかに接近しうる理想である。しかもその努力その理想そのものがすでに神の惠みの賜物なのである。
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(一) キリスト教においては、中世以來ギリシア哲學の影響のもとに本文の二つの觀念は混同され、學者は靈魂不死性の論證をさながらに踏襲することによつてキリスト教的信仰の確保を計つた。兩者の根本的相違に學者が氣附いたのはやつと近時の事である。次の諸書參看。C. Stange: Unsterblichkeit der Seele (1925) . S. 121 ff. ―― Ders.: Das Ende aller Dinge (1930) . S. 122 ff. ―― P. Althaus: Die letzten Dinge4[#「4」は上付き小文字] (1933) . S. 110 ff.
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