ながら、未だ克服し切れぬ契機としてそれらの反對を、少くも反對の可能性を内に含む。それは完成されたる愛の如く對象の完全なる失ふことなき所有による歡喜に留まることは出來ない。それはいつも足らざるもの缺けたるものをもつてゐる。それは一面憧れでありエロースの性格を擔ふ。眞の愛の如く直接的でありながら又他方媒介をも必要とする。從つてそれは決心・決斷・選擇等の契機をも含む。確實性である傍ら又他方不確實性疑惑の危險をも宿す。すなはち、それの確實性は直觀的でありながら、しかも理由づけ根據づけ關係づけの上に立つ。このことはそれに信念としての性格をも與へる。かくてそれは實在者との共同として實踐的でありながら、しかも同時に一定の表象一定の思想の把握として理論的でもある。かくの如き構造を有する故、神への純粹の愛や神を見る働きなどに比べては、神を信ずる働きは暫有的前階的意義しか有せぬであらう。それにも拘らず、信仰は、それの最深最奧の本質においては、愛そのものであり、全き自己とあらゆる存在とを提げて神の惠みに委ねつつ、ただ神よりして神において神へと生きることである。
啓示の徹底的なる、しかもそれにも拘らず、多義
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