行燈《あんどん》を出して、入《い》らつしやい/\と云《い》ふと、大都会《だいとくわい》の事だから直《すぐ》に御武家《おぶけ》が一人《ひとり》這入《はいつ》て来《き》て○「早くして呉《く》れ「エヽもう二三|人《にん》御入来《おいで》になると直《ぢき》に始まります。○「モウ二三|人《にん》来《く》るまで待つては居《を》られぬ、腹《はら》が空《へつ》て耐《たま》らぬのぢや――是《これ》は菜《な》めしと間違《まちがへ》たと云《い》ふ話です、其頃《そのころ》は商売《しやうばい》ではなかつたから、其位《そのくらゐ》のものでござりましたらう。然《しか》るに当今《たうこん》に至《いた》つては寄席商売《よせしようばい》と云《い》ふものが大層《たいそう》殖《ふ》えて、斯様《かやう》に隆盛《りゆうせい》に相成《あひな》つたのでござります。
[#地から1字上げ](拠酒井昇造筆記)



底本:「明治の文学 第3巻 三遊亭円朝」筑摩書房
   2001(平成13)年8月25日初版第1刷発行
底本の親本:「定本 円朝全集 巻の13」世界文庫
   1964(昭和39)年6月発行
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2009年6月19日作成
青空文庫作成ファイル:
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