にだがお暇乞《いとまごい》をしなければ成りませんけれども、少し用が有ると云って早アく帰りました、又四五日内に来ると云いましたよ」
茂「はアー然うか、少し頼みたい事が有ったのに……アヽー眠い/\、何故此の頃は斯んなに眠いんだろう」
と瞞《ごま》かして居りましたが、何んでも己がトロリと寝た間《ま》に逢引をしたに違いねえ、と疑心が晴れませんから、又一日|隔《お》いて松五郎を呼び、酒を飲まして例《いつも》の通り蚊帳を釣って三人の床を展《の》べ、茂之助は仰臥《あおむけ》になって横目で二人の様子を見ながら、空鼾《そらいびき》を掻く中《うち》に、余《あと》の二人もグウー/\と寝て居ます。時々細目に開いては見ますけれども、二人とも側へ寄る様子も有りません。お瀧は茂之助の方を向いて寝て居ります。
六
茂之助は、二人の様子に目を付けて居るが、何うしても知れない。何んでも是は明方人の起る時分に何うかするに違い無い、今夜こそは、と心を締めて居る中《うち》に、漸々《だん/″\》眠くなって来たから、腿《もゝ》を摘《つめ》ッたり鼻を捻《ねじ》ったりして忍耐《がまん》しても次第に眠くなる、酒を
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