《え》いから」
又「左様でげすか、いろ/\又|爺《じゞい》婆《ばゞあ》の昔話もございますから、少しはお慰みにもなりましょうと思いまして……婆さん、どうも美《い》い酒だのう、宜かろう何うだえ、えゝこの御酒はあの古河町へ往《い》かなければないので、又|醤油《したじ》が好《よ》いから甘《うま》いねえ、これでね旦那様、江戸の様な旨い味噌で造ったたれを打込《ぶちこ》んで、獣肉屋《もゝんじいや》の様にぐつ/\遣《や》れば旨いが、それだけの事はいきません、どうも是では旨くはないが、これへ蕨《わらび》を入れるもおかしいから止しましょう……へえお盃を戴きます、私《わたくし》も若い時分には随分|大酒《たいしゅ》もいたしましたが、もう年を取っては直《すぐ》に酔いますなア、それでも毎晩|酣鍋《かんなべ》に一杯位ずつは遣《や》らかします」
 と差《さ》えつ押《おさ》えつ話をしながら酒宴《さかもり》をして居りましたが、其の内にだん/\と爺さん婆さんも微酔《ほろよい》になりました。
永「何うだい、お前方は何うも山の中にいる人とは違い、また言葉|遣《づか》いも分るから屹度《きっと》苦労人の果《はて》じゃろう、万事に宜
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