》う牡丹餅《ぼたもち》を置いて桶《をけ》で蓋《ふた》をしてと、人が見たら蛙《かへる》になるんだよ、宜《い》いかえ人が見たら蛙《かへる》だよ、己《おれ》が見たら牡丹餅《ぼたもち》だよ。と密《そつ》と隠《かく》して出て行《ゆ》くのを主人が見て、アハヽ是《これ》が子供の了簡《れうけん》だな、人が見たら蛙《かへる》とは面白《おもしろ》い、一ツあの牡丹餅《ぼたもち》を引き出して、蛙《かへる》の生《いき》たのを入《い》れて置《おい》たら小僧《こぞう》が帰《かへ》つて来《き》て驚《おどろ》くだらうと、洒落《しやれ》た御主人《ごしゆじん》で、夫《それ》から牡丹餅《ぼたもち》を引出《ひきだ》して終《しま》つて、生きた蛙《かへる》を一|疋《ぴき》投《はふ》り込《こ》んで置《お》きました。処《ところ》へ小「往《いつ》て参《まゐ》りました。主「大《おほ》きに御苦労《ごくらう》だつた、早く牡丹餅《ぼたもち》を食べな。小「へえ、有難《ありがた》う存《ぞん》じます、アヽ此所《こゝ》なら誰《だれ》も知りやアしない桶《をけ》で蓋《ふた》をしてあるから気《き》が附《つ》かない。と開《あ》けて見ると蛙《かへる》が飛《と》び
前へ 次へ
全3ページ中2ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング