めじゃア」
と鳥居を抱えて、
花「大きな鳥居じゃアないか」
と金剛力を出して一振《ひとふり》すると恐ろしい力、鳥居は笠木《かさぎ》と一文字《いちもんじ》が諸《もろ》にドンと落ちた。剣術遣が一刀を振上げて居る頭の処へ真一文字に倒れ落ちたから、驚きましたの驚きませんのと、胆《きも》を挫《ひし》がれてパッと後《あと》へ退《さが》る。見物はわい/\いう。其の勢いに驚き何《ど》のくらいの力かと安田は迚《とて》も敵《かな》わぬと思って抜刀《ぬきみ》を持ってばら/\逃《にげ》ると、弥次馬に、農業を仕掛けて居た百姓衆が各々《おの/\》鋤《すき》鍬《くわ》を持って、
百姓「撲殺《ぶちころ》してしまえ」
とわい/\騒ぐから、三人の剣客者は雲|霞《かすみ》と林を潜《くぐ》って逃げました。
五十九
花車「ハ、逃げやアがった弱《よわ》え奴だ、サア案じはねえ、私《わし》が送って行《ゆ》きましょう」
と脱いだ衣服を着て煙草入を提げ、惣次郎を送って自分は法恩寺村の場所へ帰った。角力は五日間首尾能く打って帰る時に、
花「鳥居の笠木を落《おと》したから、旦那様鳥居を上げて下さらんでは困
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