り》を拵《こしら》え、時々は私が騙《だま》かして拠《よんどころ》ないお座敷で帰りが遅くなると云って上げるから、厭でもあろうが只《たっ》た一度、舎弟と枕《まくら》を並べて寝て遣れば、どんなに悦ぶか知れない、それは厭だろうが、其の時は私が密《そっ》と友さんを他《ほか》に呼んで置いてお前に逢わせ、口直しを拵えて置くからねえ、私も責められて困るからよ」
村「はい/\姉さん私も友之助さんに対して旦那を取っては済まず、又私が身を斬られるほど辛いけれども、姉さんの折角のお頼みと云い、お母さんの様子では女郎《じょうろ》にも売り兼ねやアしまいから、死んだ心になって旦那を取りましょうよ」
月「おや本当に、どうもまア好《よ》く諦らめておくれだ、本当に可愛そうだけれども、じゃア其の積りだよ」
と云いながら慌てゝ音のするように梯子《はしご》を降りて参り、おさきに向い、
月「私が段々話をした処が、済まなかった、随分|宜《よ》い人だと思っていたが、まさかにお母さんの前で旦那が取りたい惚れているとも云いにくいから、しぶ/\していて、打《ぶ》たれるだけが損だったと云っているから、お前も機嫌を直して可愛相だから優
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