く訳を云いねえ、えゝおい、如何《どう》[#「如何《どう》」は底本では「如何《どう》う」と「う」が重複]云う訳だ」
友「どう云う訳だってお村はスッパリ大伴の襟に附《つい》て、百両が三百両になった」
森「百両が三百両になれば殖《ふ》えたのだから結構じゃアねえか」
友「いゝえ私は半分死んで居ります」
森「訳が分らねえ……人が立っていけねえよ、己に話して聞かせねえ、待ちねえよ、向《むこう》の都鳥と云う茶店《ちゃみせ》へ行《ゆ》きねえ……何を見やアがる、狂気《きちげえ》でも何《な》んでもねえ」
と漸《ようや》く都鳥の店へ来て、
森「表は人が立つといけねえ、連れて来た人は少し怪我人の様な病人の様な変な者だが、薄縁《うすべり》か何か敷いてくんねえ……おい友さん腰を掛けねえ」
友「へえ/\」
森「確《しっか》りしねえ」
友「確りたって私は半分死んで居ります」
森[#「森」は底本では「友」と誤記]「そんな事を云ったって分らねえ、どうしたのだ」
友「百両が三百両になりました」
森「それは結構じゃアねえか、殖えたのだ」
友「初めは私が勝ったので、二度目が負けたので、企《たく》んだの
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