豚吉とヒョロ子
夢野久作
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)豚吉《ぶたきち》
|:ルビの付いていない漢字とルビの付く漢字の境の記号
(例)折角|無代価《ただ》で乗ってもらおうと
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「韋+鞴のつくり」、第3水準1−93−84]《ふいご》で
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豚吉《ぶたきち》は背《せい》の高さが当り前の半分位しかないのに、その肥り方はまた普通《あたりまえ》の人の二倍の上もあるので、村の人がみんなで豚吉という名をつけたのです。又、ヒョロ子も同じ村に生れた娘でしたが、背丈《せた》けが当り前の人の倍もあるのに、身体《からだ》はステッキのように細くて瘠《や》せていましたので、こんな名前を付けられたのです。
村の人はこの二人を珍らしがってヤイヤイ騒ぎますので、二人は外へ出ることも出来ません。そのうちに二人とも立派な大人になりました。
ある時、村の人たちの寄り合《あい》がありましたが、その時に誰か一人が、
「あの二人を夫婦にしたらな
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