むのを止めろ。あんまり非道《ひど》いではないか。あんまり情ないではないか。お前はそれを平気で読むのか。お父さまは最早《もう》聞いていられない。コレ。止めろ。止めろと云うに」
 と云いながらよろよろと前の方によろめき出ましたが、濃紅姫の寝台《ねだい》に行き当って、又ハッと気が付きました。そうして寝台に倒れかかったままじっと濃紅姫の死体を見ていましたが、見る見るその眼は又|旧《もと》の通りに釣り上りました。
「エエッ。矢張り本当の事であったか。濃紅姫は死んだのであったか。よしそれならばこうして……」
 と云う中《うち》に自分の外套を脱いで、濃紅姫の死体をクルクルと巻いたと思うと、肩に荷《かつ》ぐが早いか一散にこの室《へや》を走り出ました。これを見ると火のように怒った藍丸王はそのあとから叫びました――
「ソレッ。あの家の者を鏖《みなごろし》にしてしまえ。あとは火を放《つ》けて焼いてしまえ」

     二十四 生首の言葉

 一方青眼先生は、一旦《いったん》はすっかり気絶して終《しま》って、何も解からなくなっていましたが、やがて自然と気が付いて見ますと、どうでしょう。最前自分は藍丸王の眼の前
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