貴様も悪魔の片割れか。今まで悪魔と馴れ合っていたのか。放せ。放せ。奴《おの》レッ」
 と身もだえをするその手に女王は走りかかって縋り付きました。そうしてその顔を見上げながら叫びました――
「殺して下さい。お父様。妾は……もう……この上の苦しみは見られませぬ。生きては……生きてはおられませぬ。この剣で……さあ一思いに殺して下さい。姉様と一所に死なして下さい。青眼先生、放して下さい。この手を……お父様を放して下さい」
 と無理に青眼先生の手を捕まえて引き離そうとしました。紅木大臣はこの時あらん限りの力を出して――
「エエッ」
 と一声叫ぶと一所に二人を両方に振り放しました。そうしてなおも縋り付こうとする二人を、又も左右に蹴倒しますと、二人共一時に気絶してグタリと床の上に横たわりました。
 この時最前から椅子に腰を掛けたままこの場の様子を冷やかに笑って見ておりました藍丸王は、矗《すっく》とばかり立ち上りましたが、その右手を高く挙げたのを見ると、一匹の恐ろしい姿をした蛇が、宝石の鱗を眩しい程光らせながら、真赤な舌をペロペロと吐いて巻き付いておりました。こうして王は高らかに叫びました――
「紅木
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