来てどこへ行くのだ」
 と尋ねました。姫はこの石男のあまり大きいのに吃驚《びっくり》して、暫くは返事も何も出来ませんでしたが、併し別に悪い者でもなさそうですから、今までの自分の身の上をすっかり話して、何卒《どうぞ》お父さまやお母様に会わして下さいと頼みました。石男は濃紅姫の身の上話を聞きますと、どうした訳か解かりませんが大層歎き悲しみました。そうして吾れと自分の頭の毛を掻《か》きむしって――
「吁《ああ》。皆《みんな》俺が悪いのだ」
 と泣きながら水晶の玉を眼からぼろぼろと落していましたが、やがて気を取り直しまして、濃紅姫に向って親切に――
「噫《ああ》、お嬢様。貴女《あなた》がそんなに非道《ひど》い目にお会いになるのは、皆私が悪いからで御座います。何卒《どうぞ》御勘弁なすって下さいまし。けれども今更どうする事も出来ませぬから、その代り貴女に御両親のおいでになる処を教えてあげましょう。そこへ行って貴女は今までの苦労をすっかり忘れて、楽しく眠っておいでなさい。決して眼を覚ましてはいけませぬよ。眼を覚ますと貴女は又、あの恐ろしい藍丸王や海の女王の処に帰って、悲しい目を見なければなりませぬか
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