ました。けれども又思い直しまして、この婆さんは決して悪い気で云っているのではあるまい。屹度占いを間違えて、それを本当にして心配して、自分に教えてくれるのに違いないと考え付きましたから、それならば一つその証拠を見て、それから間違っている事を教えてやろうと思いまして――
「では、お婆さん、その証拠を見せておくれ」
と頼みました。
「その証拠というのは、これ、この果物で御座います」
と云いながら婆様《ばあさん》は、手に持った果物の籠を見せました。
「何、その果物が証拠とは……」
と紅矢は驚いて中を覗きますと、中には見事な林檎が七ツ這入っておりました。
「妾はこれでその占いを立てたので御座います。御覧遊ばせ、七ツ御座いましょう。丁度悪魔の数で御座います。これを倍にすると美紅姫のお年になります。つまり美紅姫は悪魔に取り付かれて身体《からだ》が二ツになって、その半分は今貴方の御命をつけねらっているという事になります」
「馬鹿な。そんな事があるものか。都からここまでは何百里とあるものを」
と又紅矢は馬鹿馬鹿しくなって笑い出しました――
「ではその果物が美紅姫だと云うのかえ」
「イイエ。そうで
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