固まったのがあって、記者が聞いたのは下谷に一つ、麹町から牛込へかけて二つ、青山に一つある。大抵一組十人位から三十人位まで居るという。浅草にはいくつもあるが、皆小さいように思う。その代り亡命印度人の配下になっているようなのがある。
 こんなのの名前は、始終取りかえるのでわからない。仕事は、浅草のを除いていずれも家庭荒《はとがりあら》し(鳩狩?)が主で、しかも、ほかの脅迫《ぱくり》や誘拐《かたり》見たように少数の黒人《くろうと》の腕揃いではない。団結も固くなければ、仕事もチャチなのがあるという。つまり、まだ発達向上の余地がある訳である。
 こんなことを書いているうちにも、東京では有名な不良少年少女団が二つ三つ挙げられた。足もとの明るいうちに切り上げたい。
 しかし、それでもまだ、一般家庭の参考になる事や、当局にも知られていまいと思う事がないでもないから、そんなのを一まとめにして次に述べる。

     少女誘惑ラムプ団

 麹町に二つあった団体の中《うち》の一つは、一昨年の暮あたりまでラムプ団と云っていた。今は何と云うか知らぬが、本拠は牛込か四谷辺に移動しているらしい。
 震災当時、四五人
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