る黄玉《わうぎよく》よ、汝の名を告げてわが願ひを滿《み》たせ。 八五―八七
あゝわが葉よ。汝を待つさへわが喜びなりき、我こそ汝の根なりけれ。彼まづかく我に答へ 八八―九〇
後また曰《い》ひけるは。汝の家族《やから》の名の本《もと》にて、第一の臺《うてな》に山を※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]《めぐ》ることはや百年餘《もゝとせあまり》に及べる者は 九一―九三
我には子汝には曾祖父《そうそふ》なりき、汝|須《すべか》らく彼の爲にその長き勞苦をば汝の業《わざ》によりて短うすべし 九四―九六
それフィオレンツァはその昔の城壁――今もかしこより第三時と第九時との鐘聞ゆ――の内にて平和を保ち、かつ節《ひか》へかつ愼《つつし》めり 九七―九九
かしこに索《くさり》も冠もなく、飾れる沓《くつ》を穿《は》く女も、締むる人よりなほ目立つべき帶もなかりき 一〇〇―一〇二
まだその頃は女子《によし》生るとも父の恐れとならざりき、その婚期《とき》その聘禮《おくりもの》いづれも度《のり》を超《こ》えざりければなり 一〇三―一〇五
かしこに人の住まざる家なく、室《しつ》の内にて爲《せ》らるゝことを教へんと
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