然と偶然とが必然を造ることありや否《いな》やを知らん爲にも 九七―九九
第一の動《うごき》の有無《うむ》を知らん爲にも、はたまた一の直角なき三角形が半圓の内に造らるゝをうるや否やを知らん爲にもあらざりしを 一〇〇―一〇二
是故に汝もしさきにわがいへることゝ此事とを思ひみなば、わが謂《い》ふところの比類《たぐひ》なき智とは王者の深慮《ふかきおもんばかり》を指すをみむ 一〇三―一〇五
またもし明らかなる目を興りしといふ語《ことば》にむけなば、こは數多くして良者《よきもの》稀《まれ》なる王達にのみ關《かゝ》はるをみむ 一〇六―一〇八
かく別《わか》ちてわが言《ことば》を受けよ、さらばそは第一の父及びわれらの愛する者についての汝の信仰と並び立つべし 一〇九―一一一
汝この事をもて常に足の鉛とし、汝の見ざる然《しか》と否《いな》とにむかひては疲れし人の如く徐《しづか》に進め 一一二―一一四
肯《うべな》ふべき時にてもまたいなむべき時にても、彼と此とを別たずしてしかする者はいみじき愚者にほかならず 一一五―一一七
そは輕々しく事を斷ずれば誤り易《やす》く、情また尋《つ》いで智を絆《ほだ》すにいたれ
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