せらるゝ者よ、あゝいと聖なる淑女よ、汝の言《ことば》我を潤《うるほ》し我を暖め、かくして次第に我を生かしむ 一一八―一二〇
されどわが愛深からねば汝の恩惠《めぐみ》に謝するに足らず、願はくは全智全能者これに應《こた》へ給はんことを 一二一―一二三
我よく是を知る、我等の智は、かの眞《まこと》(これより外には眞なる物一だになし)に照らされざれば、飽《あ》くことあらじ 一二四―一二六
智のこれに達するや、あたかも洞の中に野獸《ののけもの》の憩《いこ》ふ如く、直ちにその中にいこふ、またこはこれに達するをう、然らずばいかなる願ひも空ならむ 一二七―一二九
是故に疑ひは眞理の根より芽の如くに生ず、しかしてこは峰より峰にわれらを促し巓《いたゞき》にいたらしむる自然の途なり 一三〇―一三二
淑女よ、この事我を誘ひ我を勵まし、いま一の明らかならざる眞理についてうや/\しく汝に問はしむ 一三三―一三五
請ふ告げよ、人その破れる誓ひの爲、汝等の天秤《はかり》に懸《か》くるも輕からぬほど他の善をもて汝等に贖《あがなひ》をなすことをうるや。 一三六―一三八
ベアトリーチェは愛の光のみち/\しいと聖なる目にて我
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