ひとしくこれを恐れて動かず、二匹の鹿の間にては一匹の犬止まらむ 四―六
是故に、二の疑ひに等《ひと》しく促《うなが》されて、我|默《もだ》せりとも、こは已《や》むをえざるにいづれば、我は己を責めもせじ讚《ほ》めもせじ 七―九
我は默せり、されどわが願ひとともにわが問は言葉に明らかに現はすよりもはるかに強くわが顏にゑがゝる 一〇―一二
ベアトリーチェはあたかもナブコッドノゾルの怒り(彼を殘忍非道となしたる)をしづめし時に當りてダニエルロの爲《な》しゝ如くになしき 一三―一五
即ち曰ふ。我は汝が二の願ひに引かるゝにより、汝の思ひむすぼれて言葉に出でざるを定《さだ》かに見るなり 一六―一八
汝|論《あげつら》ふらく、善き願ひだに殘らんには、何故にわが功徳の量、人の暴虐《しへたげ》のために減《へ》るやと 一九―二一
加之《しかのみならず》、プラトネの教へしごとく、魂、星に歸るとみゆること、また汝に疑ひを起さしむ 二二―二四
この二こそ汝の思ひをひとしく壓《お》すところの問《とひ》なれ、されば我まづ毒多き方《かた》よりいはむ 二五―二七
セラフィーンの中にて神にいと近き者も、モイゼもサムエールも
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