rーニの女子を奪ひて妻とせりと傳へらる
【ルクレーチアの憂ひ】ルクレーチアがセクストゥスに辱められしこと(地、四・一二七―三二註參照)。ローマ最後の王タルクイニウスがローマを逐はれしもわが子クストゥスの惡行その一因となれるなり、故にルクレーチアの憂ひは王政の終りを表はす
【七王】ロムルス、ヌーマ、ツルヌス、アンクス・マルキウス、タルクイニウス・プリスクス、セルウィウス・ツルリウス、タルクイニウス・スペルブス
四三―四五
【ブレンノ】ブレンヌス。ガルリア人の大將、前四世紀の末ローマに押寄せ火を放つてこれを攻む、ローマの人フーリオ・カミルロ不意に起ちて敵を破り、故國をその難より救ふ
【ピルロ】エピロス(ギリシアの)王。ピルロス前三世紀の後半二囘に亘りてイタリアを攻めしも成らずして去る(地、一二・一三三―八註參照)
【共和の國々】collegi或は、同盟の君主等
四六―四八
【トルクァート】ティトゥス・マンリウスといへるローマ人にてトルクァートはその異名なり、ガルリア人及びラチオ人と戰ひてこれに勝つ(前四世紀)
ラチオ人と戰へる時己が子軍令を犯しゝかばこれに死刑を宣せりといふ(『コンヴィヴィオ』四・五・一一八以下參照)
【クインツィオ】ルキウス・クインティウス。ローマの人、鋤を棄て執政となりて敵を破り(前五世紀)任滿ちてまた耕作に從事す(『コンヴィヴィオ』四・五・一三〇以下參照)。キンキナトゥス(縮毛)の異名あり
【デーチ】父子三代に亘りて(その名をいづれもプブリウス・デキクス・ムースといへり)祖國の爲敵手に死せる(前四―三世紀)ローマ人(『デ・モナルキア』二、五・一二八―三〇參照)
【ファービ】ローマの名門。著名のローマ人多くこの一門より出づ、就中最著名なるは第二ポエニ戰爭の際(前三世紀)所謂遲延戰略を用ゐてカルタゴの驍將ハンニバルを惱ましゝクイントゥス・ファビウス・マクシムスなり
【甚く尊む】mirro(沒藥を塗る)藥品を用ゐて腐敗を防ぐ如く、永く尊びて忘れざるをいふ、天上に妬なければなり
四九―五一
【アンニバーレ】ハンニバル。カルタゴの名將、第二ポエニ戰爭の始め(前二一八年)ポー河の水源地なる西方アルピの連峰を越えてイタリアに闖入し連戰連勝優勢なりしが、後利を失ひてアフリカに歸れり
【アラビア人等】カルタゴ人等。ダンテ時代には北アフリカの住民をおしなべてアラビア人と呼びなせり、カルタゴ人をアラビア人といへるは、地、一・六八にウェルギリウスの父母をロムバルディといへるごとく一種の時代錯誤なり(ムーアの『用語批判』三四二頁參照)
五二―五四
【シピオネ】プブリウス・コルネリウス・スキピオ。ローマの名將、未だ丁年ならざるにハンニバルとチチーノ及びカンネに戰ひ二十歳にしてイスパニアを征服し、三十三歳にしてザマ(地、三一・一一五―七註參照)にハンニバルを破れり
【ポムペオ】大ポムペイウス。年少の頃既にシルラを助けてマリウスの徒黨と戰ひ、後各地に轉戰して勝利を得たり、ローマが彼の爲に凱旋式を擧げしはその二十五歳の時(前八一年)の事なりき
【山】フィエソレの山、ダンテの生地フィレンツェその下にあり(地、一五・六一―三註參照)
【酷し】ローマ人がフィエソレを攻落しゝこと
五五―五七
天上の平和を地上にも及ばしめんと神の思召し給へる時に、換言すれは、キリストの降臨に近き頃ローマの民及び議會の意に從ひ、ユーリウス・カエサルこの旗を手に取れり
ダンテ思へらく、帝國の建設は世界平和の曙光なり、カエサルはなほヨハネの如く救世主の爲にその道を備へし者なりと(『コンヴィヴィオ』四、五・一六以下參照)
五八―六〇
以下七二行までユーリウス・カエサルの事蹟を擧ぐ
【ヴァーロよりレーノに亘りて】ガルリア・トランサルピーナ(アルピ外のガルリア)にてといふ如し。ヴァール(ヴァーロ)はフランスの東南端の河にて古、外ガルリアと内ガルリアとの境を劃し、レーノ即ちライン河は古、外ガルリアとゲルマニアとの境を劃せり。鷲の旗がカエサルの手にありてこの地方にあげし功績を、その沿道の諸水見たりといへるなり
【イサーラ】今のイゼール。フランスのローヌ河に注ぐ河の名
【エーラ】同じくローヌに注ぐサオン河
【センナ】パリを貫流するセーヌ河
六一―六三
【ラヴェンナを出で】ガルリア征服の後カエサルがラヴェンナより出でゝ内亂を平定せること(地、二八・九七―九註參照)。ルビコン河は昔ガルリア・チサルピーナ(アルピ内のガルリア)とイタリアとの境を劃せり
六四―六六
【スパーニアに】内亂鎭靜の後イスパニアに行きてポムペイウス一味の者を攻めし事(淨、一八・一〇〇―一〇二參照)
【ドゥラッツオ】アドリアティコの東岸にあるギリシアの町。カエサルこゝにてポムペイウスの軍に圍まる
【ファルサーリア】テッサ
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