はこの恩を思ひてなり)、年三十にしてフォンテ・アヴェルラーナ僧院に遁れ、やがて選ばれて院主となる、一〇五八年オスティアの僧正兼カルディナレに任ぜられしも幾何もなく辭して再び僧院に歸り、一〇七二年ファーエンツァに死す、高徳大智の名僧にて神學に關する著作多し、ピエートロ・ペッカトレ(罪人ピエートロ)とはその自ら謙りて呼べる名なりといふ
【われらの淑女の家】僧院。註釋者曰く、こはコマッキオ(ラヴェンナの北)附近なる聖マリア・ポムポーザの僧院を指せるものにて、ピエートロ未だ一僧侶なりし時アヴェルラーナの院主の請ひによりかしこに行きて二|年《とせ》ばかり止まりゐたることありと
但しピエートロはその後年にいたりてもなほペッカトレの名を用ゐしこと明らかなればこの一聯に就て異説甚だ多し、いづれも難あり。スカルタッツィニは一二二行の前半を後半と別ちて「かしこにて我はピエートロ・ダミアーノまたピエートロ・ペッカトレといひき、我またアドリアティコの岸なるわれらの淑女の家にありしことあり」と讀めり、この解最も難なし、されど聲調の自然をそこなふ
一二四―一二六
【帽】カルディナレの帽
【傳へらるゝ】高位の僧となる人物が次第に劣りゆくをいふ
一二七―一二九
以下一三五行まで前聯の末行に因みて僧官の奢侈を難す
【チエファス】(ケパ)、使徒ペテロ(ヨハネ、一・四二)
【聖靈の大いなる器】使徒パウロ、地、二・二八に「選《えらび》の器《うつは》」といへるもの
【いかなる宿の】ルカ、一〇・七參照
一三〇―一三二
【己を】今の僧官等は美食安佚によりてその身肥え、人の助けを借らざれは歩を運ぶ能はず、かつまた人に誇らん爲その裳裾を長くし特にこれをかゝぐる人を用ゐるにいたる
一三三―一三五
【表衣にて】またその表衣《うはぎ》は長く廣くして己が乘馬を蔽ふ、これ一枚の表衣(皮[#「皮」に白丸傍点])をもて二匹の獸(僧と馬)を包むなり
【何の忍耐ぞ】神の忍耐はいかに大いなる哉
一三六―一三八
【いよ/\美しく】ペトルス・ダミアーニの義憤の言を聞きてこれに同感を表するなり
一四二
【雷】強き響き
第二十二曲
聖ベネデクトゥスがその開山の昔を語りかつ今の僧侶の腐敗を歎くを聞きて後、ダンテはベアトリーチェと共に第八天(恒星天)にいたり、七遊星と地球とを俯瞰す
一―三
【恃處】母(淨、三〇・四三―五參照)
一
前へ
次へ
全242ページ中198ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
ダンテ アリギエリ の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング