カタローニア人と交りを結び、一三〇九年ナポリ王となるに及びて彼等をかしこに招きかつ重くこれを用ゐぬ、しかるに彼等強慾にして民を虐げしかば、民心アンジュー家を離るゝにいたれり
【豫めこれを】虐政の臣民に及ぼす結果如何を、王位に即かざる先に知りたらんには
マルテルはロベルト即位後の非政及びその結果を豫知してかくいへるなり
七九―八一
【彼にても】ロベルト自身かまたはその親戚知友等
【荷の重き彼の船】ロベルトの貪欲の爲既に重き負擔に苦しむかの三國
【さらに荷を】廷臣等の貪慾によりてその負擔をさらに重くする莫らん爲
八二―八四
【物惜しみせぬ性】父シャルル二世の。シャルル二世がその女ベアトリスをフェルラーラの君に與へて莫大の金をえしこと淨火篇(二〇・七九―八一)に見ゆ、さればこゝにては單にその子ロベルトと此していへるか、或はシャルルに貪慾と寛仁の相混れる性あるをいへるか明ならず、なほ言者がシャルルの子なるを思ふべし(ムーアの『ダンテ研究』第二卷二九三―四頁參照)
八五―九〇
汝の言の我に與ふる喜びは汝自らの(これを神の鏡に映《うつ》して)知るところなるを信ずるによりて愈※[#二の字点、1−2−22]深し、而して汝のわが喜びをば神を視てさとることもまたわが悦ぶ所なり。前者は主として明かに友に知らるゝの事實を指し、後者は主として友の知る所以を指す、但し九〇行の il の意明らかならざるがゆゑに異説あり
【一切の善の】一切の善の本末なる神によりて
九一―九三
【苦き物】良き種より惡しき果の生ずる如く、良き父より惡しき子の生るゝをいふ
九四―九六
【顏を】顏を向くるはその事、前に現はれて知るゝなり、背をむくるは後にかくれて知れざるなり
九七―九九
生るゝ者の性情はたゞ生む者の性情によるのみならず、また諸天の力を受くるものなる事をいはん爲、以下一一一行まで、神の攝理が星辰の力となりて萬物にその影響を及ぼし、神の豫め立て給ふ目的《めあて》に向つて進むを論ず
【善】神。神は諸天運行の本にてまたその悦びの始なり
【大いなる物體】神の攝理は諸天において一種の力となり、この力諸天を通じて人間及び他の被造物にその影響を及ぼす
一〇〇―一〇二
神はたゞ自然の諸物の存在を定め給ふのみならず、またその安寧をも定め給ひ、諸物皆秩序を保ち健全にかつ永續して神の立て給ふ目的《めあて》にむかふことをえしむ

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