フィオレンツァを飾り 一〇九―一一一
汝等の寺院の空《あ》くごとに相集《あひつど》ひて身を肥《こ》やす人々の父もまたかくなしき 一一二―一一四
逃ぐる者をば龍となりて追ひ、齒や財布を見する者には羔《こひつじ》のごとく柔和《おとな》しきかの僭越の族《うから》 一一五―一一七
既に興れり、されど素姓《うぢ》賤しかりしかば、ウベルティーン・ドナートはその後舅が彼をばかれらの縁者となしゝを喜ばざりき 一一八―一二〇
カーポンサッコは既にフィエソレを出でゝ市場《いちば》にくだり、ジウダとインファンガートとは既に良《よき》市民となりゐたり 一二一―一二三
今我信じ難くして而して眞《まこと》なる事を告げむ、ラ・ペーラの家族《やから》に因《ちな》みて名づけし門より人かの小さき城壁の内に入りし事即ち是なり 一二四―一二六
トムマーゾの祭によりて名と徳とをたえず顯《あら》はすかの大いなる領主《バーロネ》の美しき紋所を分け用ゐる者は、いづれも 一二七―一二九
騎士の位と殊遇とを彼より受けき、たゞ縁《へり》にてこれを卷くもの今日庶民と相結ぶのみ 一三〇―一三二
グアルテロッティもイムポルトゥーニも既に榮えき、もし彼等に新なる隣人《となりびと》等|微《なか》りせば、ボルゴは今愈※[#二の字点、1−2−22]よ靜なりしならむ 一三三―一三五
義憤《ただしきいかり》の爲に汝等を殺し汝等の樂しき生活を斷《た》ち、かくして汝等の嘆を生み出せる家は 一三六―一三八
その所縁《ゆかり》の家族《やから》と倶《とも》に崇《あが》められき、あゝブオンデルモンテよ、汝が人の勸《すゝ》めを容《い》れ、これと縁《えにし》を結ぶを避けしはげにいかなる禍《わざは》ひぞや 一三九―一四一
汝はじめてこの邑《まち》に來るにあたり神汝をエーマに與へ給ひたりせば、多くの人々今悲しまで喜べるものを 一四二―一四四
フィオレンツァはその平和終る時、犧牲《いけにへ》をば、橋を護《まも》るかの缺石《かけいし》に獻げざるをえざりしなりき 一四五―一四七
我はフィオレンツァにこれらの家族《やから》と他の諸※[#二の字点、1−2−22]の家族とありて、歎くべき謂れなきまでそのいと安らかなるを見たり 一四八―一五〇
またこれらの家族《やから》ありて、その民榮えかつ正しかりければ、百合は未だ倒《さかさ》に竿に着けられしことなく 一五一―一五三

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