しわが體をその口のあたりに見てこれをアルノに押流し、わが苦しみにたへかねしとき 一二四―
身をもて造れる十字架を胸の上より解き放ち、岸に沿ひまた底に沿ひて我を轉《まろ》ばし、遂に己が獲物《えもの》をもて我を被ひ且つ卷けり。 ―一二九
この時第三の靈第二の靈に續いて曰ふ。あゝ汝世に歸りて遠き族程《たびぢ》の疲れより身を休めなば 一三〇―一三二
われピーアを憶へ、シエーナ我を造りマレムマ我を毀《こぼ》てるなり、こは縁《えにし》の結ばるゝころまづ珠の指輪をば 一三三―一三五
我に與へしものぞしるなる 一三六―一三八
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   第六曲

ヅァーラの遊戲《あそび》果つるとき、敗者《まくるもの》は悲しみて殘りつゝ、くりかへし投げて憂ひの中に學び 一―三
人々は皆|勝者《かつもの》とともに去り、ひとり前《まへ》に行きひとり後《うしろ》よりこれを控《ひか》へひとり傍《かたへ》よりこれに己を憶はしむるに 四―六
かの者止まらず、彼に此に耳を傾け、また手を伸べて與ふればその人再び迫らざるがゆゑに、かくして身をまもりて推合《おしあ》ふことを避《さ》く 七―九
我亦斯の如く、かのこみあへる群《む
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