ものをさだかに知らば、今既に口をひらきてをめくなるべし 一〇六―一〇八
そはわが先見に誤りなくば、今|子守歌《ナンナ》を聞きてしづかに眠る者の頬に鬚|生《お》ひぬまに彼等悲しむべければなり 一〇九―一一一
あゝ兄弟よ、今は汝の身の上を我にかくすことなかれ、見よ我のみかは、これらの者皆汝が日を覆ふところを凝視《みつ》む。 一一二―一一四
我即ち彼に。汝若し汝の我と我の汝といかに世をおくれるやをおもひいでなば、その記憶は今も汝をくるしめむ 一一五―一一七
わが前にゆく者我にかゝる生を棄てしむ、こは往日《さきつひ》これの――かくいひて日をさし示せり――姉妹の圓く現はれし時の事なり 一一八―一二〇
彼我を彼に從ひてゆくこの眞《まこと》の肉とともに導いて闌《ふ》けし夜《よ》を過ぎ、まことの死者をはなれたり 一二一―一二三
我彼に勵まされてかしこをいで、汝等世の爲に歪める者を直くするこの山を登りつつまた※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]りつゝこゝに來れり 一二四―一二六
彼はベアトリーチェのあるところにわがいたらん時まで我をともなはむといふ、かしこにいたらば我ひとり殘らざるをえず 一二七―一二九
かく我にいふはこの者即ちヴィルジリオなり(我彼を指ざせり)、またこれなるは汝等の王國を去る魂なり、この地今 一三〇―一三二
その隅々《すみ/″\》までもゆるげるは彼のためなりき。
[#改ページ]

   第二十四曲

言《ことば》歩《あゆみ》を、歩言をおそくせず、我等は語りつゝあたかも順風に追はるゝ船のごとく疾《と》く行けり 一―三
再び死にし者に似たる魂等はわが生くるを知り、我を見て驚愕《おどろき》を目の坎《あな》より吐けり 四―六
我續いてかたりていふ。彼若し伴侶《とも》のためならずは、おそらくはなほ速かに登らむ 七―九
されど知らば我に告げよ、ピッカルダはいづこにありや、また告げよ、かく我を視る民の中に心をとむべき者ありや。 一〇―一二
わが姉妹(その美その善いづれまされりや我知らず)は既に高きオリムポによろこびて勝利《かち》の冠をうく。 一三―一五
彼まづ斯くいひて後。我等の姿斷食のためにかく搾《しぼ》り取らるゝがゆゑに、こゝにては我等|誰《た》が名をも告ぐるをう 一六―一八
此は――指ざしつゝ――ボナジユンタ、ルッカのボナジユンタなり、またその先のきはだちて憔悴《やつ
前へ 次へ
全198ページ中72ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
ダンテ アリギエリ の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング