》等の誤れることをさだかに見るべし 一六―一八
夫れ愛し易く造られし魂樂しみのためにさめてそのはたらきを起すにいたればたゞちに動き、凡て己を樂します物にむかふ 一九―二一
汝等の會得《ゑとく》の力は印象を實在よりとらへ來りて汝等の衷《うち》にあらはし魂をこれにむかはしむ 二二―二四
魂これにむかひ、しかしてこれに傾けば、この傾《かたむき》は即ち愛なり、樂しみによりて汝等の中に新たに結ばるゝ自然なり 二五―二七
かくて恰も火がその體《たい》の最や永く保たるゝところに登らんとする素質によりて高きにむかひゆくごとく 二八―三〇
とらはれし魂は靈の動《うごき》なる願ひの中に入り、愛せらるゝものこれをよろこばすまでは休まじ 三一―三三
汝是に依りてさとるをえむ、いかなる愛にても愛そのものは美《ほ》むべきものなりと斷ずる人々いかに眞《まこと》に遠ざかるやを 三四―三六
これ恐らくはその客體常に良《よし》と見ゆるによるべし、されどたとひ蝋は良とも印影《かた》悉くよきにあらず。 三七―三九
我答へて彼に曰ふ。汝の言《ことば》とこれに附隨《つきしたが》へるわが智とは我に愛をあらはせり、されどわが疑ひは却つてこのためにいよ/\深し 四〇―四二
そは愛|外部《そと》より我等に臨み、魂|他《ほか》の足にて行かずば、直く行くも曲りてゆくも己が業《ごふ》にあらざればなり。 四三―四五
彼我に。理性のこれについて知るところは我皆汝に告ぐるをう、それより先は信仰に關《かゝ》はる事なればベアトリーチェを待つべし 四六―四八
それ物質と分れてしかしてこれと結び合ふ一切の靈體は特殊の力をその中にあつむ 四九―五一
この力はその作用によらざれば知られず、あたかも草木《くさき》の生命《いのち》の縁葉《みどりのは》に於ける如くその果《くわ》によらざれば現はれず 五二―五四
是故に最初の認識の智と、慾の最初の目的《めあて》を求むる情とは恰も蜜を造る本能蜂の中にある如く汝等の中にありて 五五―
そのいづこより來るや人知らず、しかしてこの最初の願ひは譽《ほめ》をも毀《そしり》をもうくべきものにあらざるなり ―六〇
さてこれに他《ほか》の凡ての願ひの集まるためには、謀りて而して許諾《うけがひ》の閾《しきみ》をまもるべき力自然に汝等の中に備はる 六一―六三
是即ち評價の源《みなもと》なり、是が善惡二の愛をあつめ且つ簸《
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