に告げず、またさらに汝に答へず 八八―九〇
かくてかれその直《すぐ》なりし目を横に歪め、少しく我を見て後|頭《かうべ》をたれ、これをほかの盲《めしひ》等とならべて倒れぬ 九一―九三
導者我に曰ふ、天使の喇叭《らつぱ》ひゞくまで彼ふたゝび身を起すことなし、仇なる權能《ちから》來るとき 九四―九六
かれら皆悲しき墓にたちかへり、ふたゝびその肉その形をとりてとこしへに鳴渡るものをきくべし 九七―九九
少しく後世《ごせ》のことをかたりつゝ我等は斯く魂と雨と汚《きたな》く混《まじ》れるなかを歩《あゆみ》しづかにわけゆきぬ 一〇〇―一〇二
我すなはちいふ、師よ、かゝる苛責の苦しみは大いなる審判《さばき》の後増すべきか減《へ》るべきかまたはかく燃ゆべきか 一〇三―一〇五
彼我に汝の教にかへるべし、曰く、物いよ/\全きに從ひ、幸を感ずるいよ/\深し、苦しみを感ずるまた然りと 一〇六―一〇八
たとひこの詛ひの民|眞《まこと》の完全《まつたき》にいたるをえずとも、その後は前よりこれにちかゝらむ 一〇九―一一一
我等迂囘してこの路をゆき、こゝにのべざる多くの事をかたりつゝ降るべき處にいたり 一一二―一一四

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