ちダンテの引用書目の主なるものゝ一なり
【ニーノ】ニーヌス。オロシウス曰く、彼ニーノ(ニーヌス)死せる時その妻セミラミス位を繼げり(オロシウス『歴史』第一卷四の四)
【ソルダンの治むる地】エヂプトなるバビロニア(昔のカイロ)
セミラミスはアッシリアの女王なればこゝにソルダンの治むる地云々といへるはエウフラテス河畔のバビロニアとナイル河畔のバビロニアとを混同せるダンテの誤りか、或ひは或る註釋者のいへる如くニーヌスはその存命中にエヂプトの一部を征服してこれをアッシリアの領地に加へしことありとの傳説によれるものか明かならず
六一―六三
【操を破れる者】ディド、アフリカ北海岸なるカルタゴの女王、夫死して後こゝに漂着せるアエネアスを慕ひ、アエネアス、イタリアに向ふに及びて失望のあまり自刃して死す、事『アエネイス』第四卷にくはし
【クレオパトラース】クレオパトラ、有名なるエヂプトの女王、カエサル及びアントニウスを惱まし嬌名甚高し、オクタウィアヌス權を執るに及び恥をローマに晒すをおそれ毒蛇の毒をうけて死す(前六九―三〇年)
六四―六六
【エレーナ】ヘレネ、スパルタ王メネラオスの妻、パリスに誘はれてト
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