四八
我見しにこゝにひとり人の叉生《またさ》すあたりより股の附根《つけね》を切りとるのみにて形琵琶に等しかるべき者ありき 四九―五一
同化しえざる水氣によりて顏腹と配《そ》はざるばかりに身に權衡《けんかう》を失はせ、また之を重からしむる水腫《すゐしゆ》の病は 五二―五四
たえずその唇をひらかしめ、そのさまエチカをやめる者の渇きて一を頤《おとがひ》に一を上にむくるに似たりき 五五―五七
彼我等に曰ふ、あゝいぶかしくも苦患《なやみ》の世にゐて何の罰をもうけざる者よ、心をとめてマエストロ・アダモの幸なきさまを見よ 五八―
生ける時は我ゆたかにわが望めるものをえたりしに、いまはあはれ水の一滴《ひとしづく》をねぎもとむ ―六三
カセンティーンの緑の丘《をか》よりアルノにくだり、水路涼しく軟かき多くの小川は 六四―六六
常にわがまへにあらはる、またこれ徒《いたづら》にあらず、その婆の我を乾すことわが顏の肉を削《そ》ぐこの病よりはるかに甚しければなり 六七―六九
我を責むる嚴《おごそか》なる正義は、我に歎息《ためいき》をいよ/\しげく飛ばさしめんとてその手段《てだて》をわが罪を犯せる處に得たり 七〇
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