橋の上なる小岩大岩の間のさびしき路を進みゆくに手をからざれば足も效《かひ》なし 一六―一八
この時我は悲しめり、わがみしものに心をむくれば今また憂へ、才を制すること恆《つね》を超ゆ 一九―二一
これわが才、徳の導きなきに走り、善き星または星より善きものこの寶を我に與へたらんに、我自ら之を棄つるなからんためなり 二二―二四
たとへば世界を照すもの顏を人にかくすこといと少なき時、丘《をか》の上に休む農夫が 二五―二七
蚊の蠅に代る比《ころはひ》、下なる溪間《たにま》恐らくはおのが葡萄を採りかつ耕す處に見る螢の如く 二八―三〇
數多き炎によりて第八の嚢《ボルジヤ》はすべて輝けり、こはわがその底のあらはるゝ處にいたりてまづ目をとめしものなりき 三一―三三
またたとへば熊によりてその仇をむくいしものが、エリアの兵車の去るをみし時の如く(この時その馬天にむかひて立上り 三四―三六
彼目をこれに注げども、みゆるはたゞ一抹の雲の如く高く登りゆく炎のみなりき) 三七―三九
焔はいづれも濠《ほり》の喉を過ぎてすゝみ、いづれもひとりの罪人《つみびと》を盜みてしかも盜《ぬすみ》をあらはすことなかりき 四〇―四
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