》の光を逸《そ》らさず、その下《もと》にておのおの顏を變へたり 一二一―一二三
立ちたる者顏を後額《こめかみ》のあたりによすれば、より來れる材《ざい》多くして耳|平《たひら》なる頬の上に出で 一二四―一二六
後方《うしろ》に流れずとゞまれるものはその餘《あまり》をもて顏に鼻を造り、またほどよく唇を厚くせり 一二七―一二九
伏したる者は顏を前方《まへ》に逐ひ、角を收《をさ》むる蝸牛の如く耳を頭にひきいれぬ 一三〇―一三二
またさきに一にて物言ふをえし舌は裂け、わかれし舌は一となり、烟こゝに止みたり 一三三―一三五
獸となれる魂はその聲あやしく溪に沿ひてにげゆき、殘れる者は物言ひつゝその後方《うしろ》に唾《つば》はけり 一三六―一三八
かくて彼新しき背を之にむけ、侶に曰ひけるは、願はくはブオソのわがなせしごとく匍匐《はらば》ひてこの路を走らんことを 一三九―一四一
我は斯く第七の石屑《いしくづ》の變り入替《いりかは》るさまをみたりき、わが筆少しく亂るゝあらば、請ふ人|事《こと》の奇なるをおもへ 一四二―一四四
またわが目には迷ひありわが心には惑ひありしも、かの二者《ふたり》我にかくれて逃ぐ
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