て心にをさむるものこれ善く聽く者なり
ウェルギリウスはこの答によりダンテが地、一〇・一二七以下ファーリナータの豫言に關しまた地、七・七〇以下命運に關し師の教へしところを理解し銘記するをしりて大いにこれを賞せるなり
一〇九―一一四
【プリシアン】プリスキアヌス、有名なるラテン文法學者、六世紀の始めの人
【フランチェスコ・ダッコルソ】有名なるフィレンツェの法律學者アッコルソの子にて父と同じく法理を修め一二七三年イギリスのオックスフォードに赴きて講師となれり(一二二五―一二九三年)
【瘡】汚き罪人等、かゝる穢れを見んことを願ひたらば
【僕の僕】法王
【アルノ】フィレンツェをいふ、川の名を町に代へしなり
【バッキリオーネ】ヴィチェンツァの町を貫流する川、前のアルノと同じく町の名に代へて用ゐしなり
【殘せし者】アンドレーア・デ・モッチ、フィレンツェの人、一二八七年この邑の僧正となりしも不徳のため同九五年法王ボニファキウス八世の命により遷されてヴィチェンツァの僧正となり翌九六年此處に死す
一一五―一一七
【烟】砂烟
一一八―一二〇
世の地位により分たれて多くの小團をなしその一に屬する者他の一團に加はるをえず、ブルネットの一群には學者と僧とあり
【テゾーロ】ブルネットがフランスに滯在中フランス文にて編せる百科事典的著作
ブルネットの著作にはこの他、本國の語にてしるせる短詩『テゾレット』あり
一二一―一二四
【ヴェロナ】中古ヴェロナ市の郊外には四〇日齋の始めの日曜日に徒歩競爭行はるゝ例あり、勝者はいろどれる衣を受け敗者即ち最後の到着者は一初の雄鷄を受けたりといふ
第十六曲
かくてさらに進みゆくにフィレンツェの者みたり群を離れてはせ來りそのひとりヤーコポ・ルスティクッチといへる者ダンテと語る、彼等去りて後詩人等第七の地獄盡くるところにいたりウェルギリウスはこゝにダンテの身にまける紐を解かしめ斷崖の上より之を投げおろしてジェーリオネ(ジェーリオン)を招く
一―三
【次の獄】第八獄
四―六
【群】男色の罪を犯せる者の一群にて文武の公職にありしものをあつむ
七―九
【衣】町によりては特殊の服裝行はれし處あればなり
一三―一五
【聲に心をとめ】或ひは、聲をきゝてとゞまり
一六―一八
この處の習として火の雨下ることなくば彼等のはせ來るを待たず汝まづいそぎすゝみて彼等を迎ふべきなり
一九―二〇
【古歌】例となれる歎聲
【輪】しばらくもとゞまること能はざれば輪をつくりてめぐれるなり
二二―二四
【勇士】註釋者曰、この譬は人に雇はれてその權利の保護者となり拳鬪によりて司法上の爭ひを決せし力士にとれるなり、かゝる風習は十三世紀より十四世紀の始めにかけイタリア各地の都市に行はれたるなり云々
二五―二七
【頸は】目ダンテに注ぎ足圓を畫けばなり
三一―三三
【名】世に殘せる
三四―三六
【毛】異本、皮
三七―三九
【グイード・グエルラ】フィレンツェ、グエルフィ黨の首領。一二六〇年モンタペルティの戰ひ敗れて後郷里を逐はれ亡命の士を糾合して之に將たり、一二六六年ベネヴェントの戰ひに殊勳をあらはし翌六七年黨與を率ゐてフィレンツェに歸り同七二年に死す、その父マルコヴァルドはグアルドラーダとその夫、老グイードの間の第四子なりグアルドラーダはフィレンツェの名門ラヴィニアーニ家の者なるベルリンチオン・ベルティ(天、一五・一一二)の女、容姿美にして夙に貞淑の聞えあり、老グイードに嫁して四子を生む
四〇―四二
【テッギアイオ・アルドブランディ】フィレンツェの名門アヂマーリ家の出にて、當時著名の武人なり、フィレンツェなるグエルフィ黨の人々にシエーナな攻むるの無謀なるを諭せしもその言用ゐられずして遂にモンタペルティの大敗を招くにいたれり(一二六六年死)
【名】voce この字を言の意にとりその言(乃ちグエルフィ黨を戒めし)世に用ゐらるべかりし云々と解する人あり
四三―四五
【十字架にかゝれる】苛責を受くる
【ヤーコポ・ルスティクッチ】傳不詳、十三世紀の半の人、古註曰、彼、妻と合はずして別れしため一般婦人を厭ひて不自然の罪を犯すにいたれるなりと
五五―五七
【主の言】一四―五行
六一―六三
【膽】にがき罪、禍ひ
【甘き實】あまき救ひ、福
七〇―七二
【グイリエイルモ・ボルシーレ】ボッカッチョの『デカメローネ』に見ゆるフィレンツェの武人
七三―七五
ダンテの詞
【新なる民】十三世紀の末フィレンツェ附近より來りて住むにいたれる民、民新なるによりて市を愛するの念うすし
【フィオレンツァ】フィレンツェ
【汝は既に】爭亂分離の萌既にこの時にあらはれしなり
七九―八一
汝は心のまゝにかたり勞せずして自然に巧みなる言を出しうるが故にこれより後にも今の如く僅かの詞にて問ふ者の心に滿足な與へうべ
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