ほ心に喜び多し 一一八―一二〇
我はエレットラとその多くの侶《とも》をみき、その中に我はエットル、エーネア、物具《ものゝぐ》身につけ眼《まなこ》鷹の如きチェーザレを認めぬ 一二一―一二三
またほかの處に我はカムミルラとパンタシレアを見き、また女《むすめ》ラヴィーナとともに坐したる王ラティーノを見き 一二四―一二六
我はタルクイーノを逐へるブルート、またルクレーチア、ユーリア、マルチア、コルニーリアを見き、また離れてたゞひとりなる 一二七―
サラディーノを見き、我なほ少しく眉をあげ、哲人の族《やから》の中に坐したる智者の師を見き ―一三二
衆皆かれを仰ぎ衆皆かれを崇む、われまたこゝに群《むれ》にさきだちて彼にいとちかきソクラーテとプラートネを見き 一三三―一三五
世界の偶成を説けるデモクリート、またディオジェネス、アナッサーゴラ、ターレ、エムペドクレス、エラクリート、ツェノネ 一三六―一三八
我また善く特性を集めしもの即ちディオスコリーデを見き、またオルフェオ、ツルリオ、リーノ、道徳を設けるセネカ 一三九―一四一
幾何學者エウクリーデまたトロメオ、イポクラーテ、アヴィチェンナ、ガリエーノ、註の大家アヴェルロイスを見き 一四二―一四四
いま脱《おち》なくすべての者を擧げがたし、これ詩題の長きに驅られ、事あまりて言足らざること屡※[#二の字点、1−2−22]なればなり 一四五―一四七
六者《むたり》の伴侶《なかま》は減《へ》りて二者《ふたり》となれり、智《さと》き導者異なる路によりて我を靜なる空より震ひゆらめく空に導き 一四八―一五〇
我は光る物なき處にいたれり 一五一―一五三
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第五曲
斯く我は第一の獄《ひとや》より第二の獄に下れり、是は彼よりをさむる地少なく苦患《なやみ》ははるかに大いにして突いて叫喚を擧げしむ 一―三
こゝにミノス恐ろしきさまにて立ち、齒をかみあはせ、入る者あれば罪業《ざいごふ》を糺《たゞ》し刑罰を定め身を卷きて送る 四―六
すなはち幸《さち》なく世に出でし魂その前に來れば一切を告白し、罪を定むる者は 七―九
地獄の何處《いづこ》のこれに適《ふさは》しきやをはかり、送らむとする獄《ひとや》の數《かず》にしたがひ尾をもて幾度も身をめぐらしむ 一〇―一二
彼の前には常に多くの者の立つあり、かはる/″\出でゝ審判をうけ、陳べ、聞きて
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