てダンテの位置をいへるにあらず
八二―八四
西の方にてはイスパニアのかなたに大西洋見え、東の方にてはフェニキアの岸見えたり
【ガーデ】ガデス。ジブラルタル海峽の附近にありと想像せられし島の名
【狂しき船路】大西洋、即ちオデュセウスが「櫂を翼として狂ひ飛び」(地、二六・一二五)しところ
【近く】西の方遠く大海を望むに對して
【エウローパ】エウロペ。フェニキア王アゲノルの女。ゼウス牡牛に化してこれを誘ひ背に載せて去る(『メタモルフォセス』二・八三二成下參照)。地、五・四に出づるミノスは即ちゼウスとエウロペの間の子なり
フェニキアの岸はイエルサレムと殆んどその子午線を同うす、故にフェニキアの岸を見たりといふは猶イエルサレムを見たりといふ如し
八五―八七
【一天宮餘】ダンテは雙兒宮に太陽は白羊宮にあり、而してこの二宮の間に金牛宮あれば一天宮餘といへり、即ち太陽は三十度餘さらに西に進みゐたるなり
【小さき麥場】人の世界(天、二二・一五一)
【なほ廣く】フェニキアの岸よりもなほ東の方を
イエルサレムの先の見えざるは眼界の限られたるに非ずして日の光の及はざるなり、即ちこの時はガーデの正午イエルサレム
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