ゝかしこに天を活《い》かす十五の星を 四―六
われらの天の懷《ふところ》をもて夜も晝も足れりとし、轅《ながえ》をめぐらしつゝかくれぬ北斗を描きみよ 七―九
またかの車軸――第一の輪これがまはりをめぐる――の端《はし》より起る角笛《つのぶえ》の口をゑがきみよ 一〇―一二
即ちこれらのもの己をもてあたかもミノスの女《むすめ》が死の冷《つめた》さを覺えし時に造れるごとき徴號《しるし》を二つ天につくり 一三―一五
一はその光を他の一の内に保ち、かつ相共にめぐりつゝ一は先《さき》に一は後《あと》より行く状《さま》を 一六―一八
さらば眞《まこと》の星宿《ほしのやどり》と、わが立處《たちど》をかこみめぐる二重《ふたへ》の舞とをおぼろに認めむ 一九―二一
そはこれがわが世の習《ならひ》を超《こ》ゆること、さながら諸天の中の最《いと》疾《と》きものゝ※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]《めぐ》る早さがキアーナの水の流れに優《まさ》る如くなればなり 二二―二四
かしこにかれらの歌へるはバッコに非《あら》ずペアーナにあらず、三一《みつひとつ》言る神の性《さが》、及び一となれる神人《かみひと》二の性《さが》なりき 二五―二七
歌も舞も終りにいたれば、これらの聖なる光は、その心をわれらにとめつゝ、彼より此と思ひを移すを悦べり 二八―三〇
かの神の貧しき人の奇《く》しき一生を我に語れる光、相和する聖徒の中《なか》にて、このとき靜寂《しづかさ》を破りて 三一―三三
曰ふ。一の穗碎かれ、その實すでに蓄《たくは》へらるゝがゆゑに、うるはしき愛我を招きてさらに殘の穗を打たしむ 三四―三六
汝思へらく、己が味《あぢはひ》のため全世界をして價《あたひ》を拂はしめし女の美しき頬を造らんとて肋骨《あばらぼね》を拔きし胸にも 三七―三九
槍に刺され、一切の罪の重さにまさる贖《あがなひ》をそのあとさきになしゝ胸にも 四〇―四二
この二を造れる威能《ちから》は、凡そ人たる者の受くるをうるかぎりの光を悉《こと/″\》く注《そゝ》ぎ入れたるなりと 四三―四五
是故に汝は、さきに我汝に告げて、かの第五の光につゝまるゝ福《さいはひ》には並ぶ者なしといへるを異《あや》しむ 四六―四八
いざ目を開きてわが答ふるところを望め、さらば汝は汝の思ひとわが言《ことば》とが眞理において一となること圓の中心の如きを見む 四九―五一
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