#二の字点、1−2−22]の球の間のうるはしき詞《しらべ》を整《とゝの》ふ 一二四―一二六
またこの眞珠の中にはロメオの光の光るあり、彼の美しき大いなる業《わざ》は正しく報《むく》いられざりしかど 一二七―一二九
彼を陷れしプロヴェンツァ人《びと》等笑ふをえざりき、是故に他人《ひと》の善行をわが禍ひとなす者は即ち邪道を歩む者なり 一三〇―一三二
ラモンド・ベリンギエーリには四人《よたり》の女《むすめ》ありて皆王妃となれり、しかしてこは賤しき旗客ロメオの力によりてなりしに 一三三―一三五
後《のち》かれ讒者の言に動かされ、この正しき人(十にて七と五とをえさせし)に清算を求めき 一三六―一三八
是においてか老いて貧しき身をもちて彼去りぬ、世もし一口《ひとくち》一口と食を乞ひ求めし時のその固き心を知らば 一三九―一四一
(今もいたく讚《ほ》むれども)今よりもいたく彼をほむべし。 一四二―一四四
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第七曲
オザンナ、萬軍の聖なる神、己が光をもてこれらの王國の惠まるゝ火を上より照らしたまふ者。 一―三
二重《ふたへ》の光を重《かさ》ね纏《まと》ひしかの聖者は、その節《ふし》にあはせてめぐりつゝ、かく歌ふと見えたりき 四―六
しかしてこれもその他の者もみなまた舞ひいで、さていとはやき火花の如く、忽ちへだゝりてわが目にかくれぬ 七―九
われ疑ひをいだき、心の中にいひけるは。いへ、いへ、わが淑女にいへ、彼甘き雫《しづく》をもてわが渇《かわき》をとゞむるなれば。 一〇―一二
されどたゞ「ベ」と「イーチェ」のみにて我を統治《すべをさ》むる敬《うやまひ》我をして睡りに就く人の如く再びわが頭《かうべ》を垂れしむ 一三―一五
ベアトリーチェはたゞ少時《しばし》我をかくあらしめし後、火の中にさへ人を福《さいはひ》ならしむる微笑《ほゝゑみ》をもて我を照らしていひけるは 一六―一八
わが量《はか》るところ(こは謬《あやま》ることあらじ)によれば、汝思へらく、正しき罰いかにして正しく罰せらるゝをうるやと 一九―二一
されど我は速に汝の心を釋放《ときはな》つべし、いざ耳を傾けよ、そはわが詞《ことば》、大いなる教へを汝にさづくべければなり 二二―二四
それかの生れしにあらざる人は、己が益なる意志の銜《くつわ》に堪《た》へかねて、己を罪しつゝ、己がすべての子孫を罪せり 二五―二七
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