齡ェ―一二〇
左の方にて彼と並ぶは、膽《きも》大《ふと》く味へるため人類をしてかゝる苦《にが》さを味ふにいたらしめし父 一二一―一二三
右なるは、聖なる寺院の古の父、この愛《め》づべき花の二《ふたつ》の鑰《かぎ》をクリストより委《ゆだ》ねられし者なり 一二四―一二六
また槍と釘とによりて得られし美しき新婦《はなよめ》のその時々の幸《さち》なさをば、己が死なざるさきにすべて見し者 一二七―一二九
これが傍に坐し、左の者の傍には、恩を忘れ心|恒《つね》なくかつ背《そむ》き易《やす》き民マンナに生命《いのち》を支《さゝ》へし頃かれらを率《ひき》ゐし導者坐す 一三〇―一三二
ピエートロと相對《あひむか》ひてアンナの坐するを見よ、彼はいたくよろこびて己が女《むすめ》を見、オザンナを歌ひつゝなほ目を放たじ 一三三―一三五
また最《いと》大いなる家長《いへをさ》の對《むかひ》には、汝が馳《は》せ下らんとて目を垂《た》れしとき汝の淑女を起《た》たしめしルーチア坐す 一三六―一三八
されど汝の睡りの時|疾《と》く過ぐるがゆゑに、あたかも良《よ》き縫物師《ぬひものし》のその有《も》つ織物《きれ》に適《あは》せて衣を造る如く、我等こゝに言《ことば》を止《とゞ》めて 一三九―一四一
目を第一の愛にむけむ、さらば汝は、彼の方《かた》を望みつゝ、汝の及ぶかぎり深くその輝を見るをうべし 一四二―一四四
しかはあれ、汝己が翼を動かし、進むと思ひつゝ或ひは退《しりぞ》く莫《なか》らんため、祈りによりて、恩惠《めぐみ》を受ること肝要なり 一四五―一四七
汝を助くるをうる淑女の恩惠《めぐみ》を、また汝は汝の心のわが言葉より離れざるほど、愛をもて我にともなへ。 一四八―一五〇
かくいひ終りて彼この聖なる祈りをさゝぐ 一五一―一五三
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   第三十三曲

處女《をとめ》なる母わが子の女《むすめ》、被造物《つくられしもの》にまさりて己を低くししかして高くせらるゝ者、永遠《とこしへ》の聖旨《みむね》の確《かた》き目的《めあて》よ 一―三
人たるものを尊《たふと》くし、これが造主《つくりぬし》をしてこれに造らるゝをさへ厭はざるにいたらしめしは汝なり 四―六
汝の胎用にて愛はあらたに燃えたりき、その熱《あつ》さによりてこそ永遠《とこしへ》の平和のうちにこの花かくは咲きしなれ 七―九
こゝにては我等に
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