、されば猶太人《ジュデーアびと》のみならずスパニア人《びと》もインド人も等しくその缺くるを見たりと 一〇〇―一〇二
ラーポとビンドいかにフィオレンツァに多しとも、年毎《としごと》にこゝかしこにて教壇より叫ばるゝかゝる浮説の多きには若《し》かず 一〇三―一〇五
是故に何をも知らぬ羊は、風を食ひて牧場より歸る、また己が禍ひを見ざることも彼等を罪なしとするに足らじ 一〇六―一〇八
クリストはその最初の弟子達に向ひ、往きて徒言《あだこと》を世に宣傳《のべつた》へといひ給はず、眞《まこと》の礎《いしずゑ》をかれらに授け給ひたり 一〇九―一一一
この礎のみぞかれらの唱《とな》へしところなる、されば信仰を燃《もや》さん爲に戰ふにあたり、かれらは福音を楯《たて》とも槍ともなしたりき 一一二―一一四
今や人々戲言《ざれごと》と戲語《たはけ》とをもて教へを説き、たゞよく笑はしむれば僧帽|脹《ふく》る、かれらの求むるものこの外《ほか》になし 一一五―一一七
されど帽の端《はし》には一羽の鳥の巣くふあり、俗衆これを見ばその頼む罪の赦の何物なるやを知るをえむ 一一八―一二〇
是においてかいと愚《おろか》なること地にはびこり、定かにすべき證《あかし》なきに、人すべての約束の邊《ほとり》に集《つど》ひ 一二一―一二三
聖アントニオは(贋造《まがへ》の貨幣《かね》を拂ひつゝ)これによりて、その豚と、豚より穢《けが》れし者とを肥《こや》す 一二四―一二六
されど我等主題を遠く離れたれば、今目を轉《めぐ》らして正路を見るべし、さらば時とともに途《みち》を短うするをえむ 一二七―一二九
それ天使は數《かず》きはめて多きに達し、人間の言葉も思ひもともなふあたはじ 一三〇―一三二
汝よくダニエールの現はしゝ事を思はゞ、その幾千なる語《ことば》のうちに定かなる數かくるゝを知らむ 一三三―一三五
彼等はかれらをすべて照らす第一の光を受く、但し受くる状態《ありさま》に至りては、この光と結び合ふ諸※[#二の字点、1−2−22]の輝の如くに多し 一三六―一三八
是においてか、情愛は會得《ゑとく》の作用にともなふがゆゑに、かれらのうちのうるはしき愛その熱《あつ》さ微温《ぬる》さを異にす 一三九―一四一
見よ今|永遠《とこしへ》の力の高さと廣さとを、そはこのもの己が爲にかく多くの鏡を造りてそれらの中に碎くれども 一四二―
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