しく叫ぶと見えしは何故ぞや。 三四―三六
この問ひよくわが願ひの要《かなめ》にあたれり、されば望みをいだけるのみにてわが渇《かわき》はやうすらぎぬ 三七―三九
彼曰ふ。この山の聖なる律法《おきて》はすべて秩序なきことまたはその習ひにあらざることを容《ゆる》さず 四〇―四二
この地一切の變異をまぬかる、たゞその原因《もと》となるをうべきは天が自ら與へて自ら受くるところの者のみ、この外にはなし 四三―四五
是故に雨も雹も雪も露もまた霜も、かの三の段《きだ》より成れる短き階《きざはし》のこなたに落ちず 四六―四八
濃《こ》き雲も淡《うす》き雲も電光《いなづま》も、またかの世に屡※[#二の字点、1−2−22]處を變ふるタウマンテの女《むすめ》も現はれず 四九―五一
乾ける氣は、わがいへる三の段の頂、ピエートロの代理者がその足をおくところよりうへに登らず 五二―五四
かしこより下は或ひは幾許《いくばく》か震ひ動かむ、されど上は、我その次第を知らざれども、地にかくるゝ風のために震ひ動けることたえてなし 五五―五七
たゞ魂の中に己が清きを感ずる者ありて起《た》ちまたは昇らんとして進む時、この地震ひ、
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