うちにありとみえしもののごとく大いなる軍《いくさ》を起して 一四五―
その解説《ときあかし》を我に求めしことあらじ、されどいそぎのためにはゞかりてこれを質《たゞ》さず、さりとて自から何事をも知るをえざれば ―一五〇
我は臆しつゝ思ひ沈みて歩みにき 一五一―一五三
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   第二十一曲

サマーリアの女の乞ひ求めたる水を飮まではとゞまることなき自然の渇《かわき》に 一―三
なやまされ、かつは急《いそぎ》に策《むちう》たれつゝ、我わが導者に從ひて障《さゝはり》多き道を歩み、正しき刑罰を憐みゐたるに 四―六
見よ、はや墓窟《はかあな》より起き出でたまへるクリストが途をゆく二人《ふたり》の者に現はれしこと路加《ルーカ》の書《ふみ》に録《しる》さるゝごとく 七―九
一の魂我等にあらはる、我等かの伏したる群《むれ》を足元に見ゐたりしときこの者|後《うしろ》に來りしかど我等これを知らざりければ彼まづ語りて 一〇―一二
わが兄弟達よ、神平安を汝等に與へたまへといふ、我等直ちに身をめぐらしぬ、而してヴィルジリオは適《ふさ》はしき表示《しるし》をもてこれに答へて 一三―一五
後曰ひけるは。我
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