してその解説《ときあかし》を聞かんためわが方にむかはしめしかの詞は 九七―九九
晝の間我等の凡ての祈りにつゞく唱和なり、されど夜いたれば我等これに代へてこれと反する聲をあぐ 一〇〇―一〇二
そのとき我等はかの黄金《こがね》をいたく貪りて背信、盜竊、殺人の罪を犯せるピグマリオンと 一〇三―一〇五
飽くなきの求めによりて患艱《なやみ》をえ常に人の笑ひを招く慾深きミーダのことをくりかへし 一〇六―一〇八
また分捕物《えもの》を盜みとれるため今もこゝにてヨスエの怒りに刺さるとみゆる庸愚《おるか》なるアーカンのことを憶《おも》ひ 一〇九―一一一
次にサフィーラとその夫を責め、エリオドロの蹴られしことを讚《ほ》む、我等はまたポリドロを殺せるポリネストルの汚名をして 一一二―
あまねく山をめぐらしめ、さて最後にさけびていふ、クラッソよ、黄金《こがね》の味《あぢ》はいかに、告げよ、汝知ればなりと ―一一七
ひとりの聲高くひとりの聲低きことあり、こは情の我等を策《むちう》ちて或ひはつよく或ひは弱く語らしむるによる 一一八―一二〇
是故に晝の間我等のこゝにて陳ぶべき徳を我今ひとりいへるにあらず、たゞこのあ
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