たくわが手にあるを見ぬ、また新たに得たる大いなる力とあふるゝばかりの友ありければ 五五―五七
わが子の首《かうべ》擢《ぬき》んでられて、寡《やもめ》となれる冠を戴き、かの受膏《じゅかう》の族《やから》彼よりいでたり 五八―六〇
大いなる聘物《おくりもの》プロヴェンツァがわが血族より羞恥の心を奪はざりし間は、これに美《ほ》むべき業《わざ》もなくさりとてあしき行ひもなかりしに 六一―六三
かの事ありしよりこの方、暴《あらび》と僞《いつはり》をもて掠《かす》むることをなし、後|贖《あがな》ひのためにポンティ、ノルマンディア及びグアスコニアを取れり 六四―六六
カルロ、イタリアに來れり、しかして贖のためにクルラディーノを犧牲《いけにへ》となし、後また贖のためにトムマーゾを天に歸らしむ 六七―六九
我見るに、今より後程なく來る一の時あり、この時到らば他《ほか》のカルロは己と己が族《やから》の事を尚《なほ》よく人に知らせんとてフランスを出づべし 七〇―七二
かれ身を固めず、ジュダの試《ため》せし槍を提《ひつさ》げてひとりかしこをいで、これにて突きてフィレンツェの腹を壞《やぶ》らむ 七三―七五
かれ
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