―一三五
また。アンキーゼの子とともに終りまで勞苦を忍ばざりし民は、榮《はえ》なき生に身を委ねたり。 一三六―一三八
かくてかの魂等遠く我等を離れて見るをえざるにいたれるとき、新しき想ひわが心に起りて 一三九―一四一
多くの異なる想ひを生めり、我彼より此とさまよひ、迷ひのためにわが目を閉づれば 一四二―一四四
想ひは夢に變りにき 一四五―一四七
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   第十九曲

晝の暑《あつさ》地球のために、またはしば/\土星のために消え、月の寒《さむさ》をはややはらぐるあたはざるとき 一―三
地占者《ゼオマンテイ》等が、夜の明けざるさきに、その大吉と名《な》づくるものの、ほどなく白む道を傳ひて、東に登るを見るころほひ 四―六
ひとりの女夢にわが許に來れり、口|吃《ども》り目|眇《すが》み足|曲《まが》り手|斷《た》たれ色蒼し 七―九
われこれに目をとむれば、夜の凍《こゞ》えしむる身に力をつくる日のごとくわが目その舌をかろくし 一〇―
後また程なくその全身を直くし、そのあをざめし顏を戀の求むるごとく染めたり ―一五
さてかく詞の自由をえしとき、彼歌をうたひいづれば、我わが心をほかに移
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