y永遠の思量】天意
七三―七五
神の義に從ひ神と和するの願ひあるによりてキリストは我等のためによろこびて十字架にかゝりたまへり、我等もまたこの願ひあればよろこびて木の下を過ぐ
【エリ】エリ、エリ、レマ、サバクタニ(わが神わが神何ぞ我を棄てたまへるや)。十字架上のキリストの叫び(マタイ、二七、四六)にしてその苦しみ最も大なりし時をあらはす
七九―八一
苦し罪を犯す能はざるにいたりて、換言すれば死に臨みて、はじめて悔い改めしならば何ぞ淨火の門外にとゞまらずして
【嫁がしむる】歸らしむる
【善き憂ひ】改悔
八二―八四
【時の時を補ふ】死に臨みて悔ゆる者その世に享けし齡と同じ年數を淨火の門外に過すこと(淨、四・一三〇以下及び一一・一二七以下參照)
八五―八七
わが妻ネルラわがために歎き且つ祈れるによりて我はかく速かにこゝにわが罪を淨むるをえたり
【甘き茵※[#「くさかんむり/陳」、第3水準1−91−23]】うれしき苦しみ
八八―九〇
【山の腰】門外の淨火。魂この處にて門内に入るの時到るを待つ
【他の諸※[#二の字点、1−2−22]の圓】この下の五圈
九四―九六
【バルバジア】サルディニア島の一山地にて中古蠻民住み風紀紊れし處なりといふ
【バルバジアより】トスカーナのバルバジアともいふべきフィレンツェより
九七―九九
【今を昔となさざる】今より遠からざる
一〇〇―一〇二
風紀興振の命寺院より出でしをいふ、されどいづれの時の事を指せるや不明なり
一〇三―一〇五
【サラチーノ】サラセン人、異教徒
【靈または】寺院の禁制または法律上の制裁なきため
一〇六―一〇八
【彼等の爲に備ふるもの】彼等の上にくだす禍ひ。一三〇〇年以後、種々の災害フィレンツェに起れること當時の記録に殘れども特にその中のいづれを指していへるやは知りがたし
一〇九―一一一
【ナンナ】nanna 母や子守等が嬰兒を眠らしめんとて ninna nanna ニンナ、ナソナとうたふ歌
一一二―一一四
【日を】これらの魂皆汝の影を見て生者のこゝにあるをあやしむ
一一五―一一七
【汝の我と我の汝と】ダンテがフォレーゼと共に地上の樂しみを求めしこと
一一八―一二〇
【往日】四月八日。今は十二日なり
【姉妹】日(アポロン)の姉妹なる月(アルテミス)
【圓く】七日の夜の滿月(地二〇・一二七參照)
一二一―一二三
【闌けし夜】地獄の闇(淨、一・四三―五參照)
【まことの死者】肉體を失ひ且つまた神の恩惠を失へる者
一二七―一二九
【いふ】地、一・二二以下參照
第二十四曲
ダンテなほフォレーゼとかたり、その多くの侶の名とその豫言を聞きて後、二詩人とともに第二の果樹のほとりにいたりて食慾の罪の罰せられし例をきき、さらに進みて第七圈に通ずる階《きざはし》の下に達す
四―六
【再び死にし】死後魂いたく痩せ衰へてあるかなきかのさまなるをいふ
【目の坎】深く窪める眼
七―九
【彼若し】前曲の終りの詞を次ぎていへり。スタティウスもし獨りならばなほ速かに歩むべきも、ウェルギリウスと共に旅せんとて恐らくはその足をおそくするならむ
一〇―一二
【ピッカルダ】フォレーゼの姉妹
一三―一五
【オリムポ】オリュムポス。ギリシアのテッサリアにある山にて神話の神々の住むところ、轉じて天。ピッカルダは月天にあり(天、三・三四以下參照)
一六―一八
【我等の姿】饑ゑてやつれてありし日の面影なければ、みる目に誰と知りがたし
一九―二一
【ボナジユンタ】ボナジユンタ・オリビッチアーニ・デーリ・オヴェラルディ。ルッカの人(十三世紀の後半)にてシケリア派の詩人なり(『デ・ウルガーリ・エーロクェンチアー』一・一三參照)
二二―二四
【寺院を】寺院を抱くは寺院の夫即ち法王(地、一九・五五―七參照)となるをいふ、法王マルティヌス四世を指す、一二八一年選ばれて法王となり一二八五年に死す
【トルソ】パリの西南にある町。マルティヌスはトルソに生れしにあらざれどもこの地の寺院に僧官たりしフランス人なれば斯く
【ボルセーナ】ヴィテルボの北にある湖水。古註曰、マルティヌス四世は極めて口腹の慾を恣にせる人にて就中ボルセーナ産の鰻を好みこれをヴェルナッチャ酒(味醂の類)に醉はしめて後燒きて喰へりと
二八―三〇
【ウバルディーン・デラ・ピーラ】(ムゼルロなるピーラ城の名なとれり)カルディナレ・オッタヴィアーノ(地、一〇・一一八―二〇)の兄弟にしてピサの大僧正ルッジエーリ(地、三三―一三―五)の父なりといふ
【ボニファーチヨ】ボニファチオ・デイ・フィエースキ。一二七四年より同九五年までラヴェンナの大僧正たりし者
三一―三三
【マルケーゼ】フォルリの名族、十三世紀の後半の人
【便宜】フォルリの美酒を指す
三七―三九
【ところ】口の中、即ち饑渇の苦しみを
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