`オ、アルリーゴ、ピエートロ、グイード等皆ローマニアの名族の出、十三世紀の人々にて仁侠を以て名高かりきといふ
【庶子】父祖の徳を繼ぐ能はざるをいふ
【フアッブロ】フアッブロ・デ・ラムベルタッチ。ボローニアのギベルリニ黨(一二五九年死)
【ベルナルディン・ディ・フォスコ】卑賤より身を起しその徳によりてファーエンツァ(ローマニア州ラーモネ河畔の町)第一流の市民となれるもの
【トスカーナ人】ダンテを指す
【グイード・ダ・プラータ】プラータはファーエンツァの附近にある町
【ウゴリーン・ダッツォ】トスカーナに名高きウバルディーニ家の者にて長くローマニアに住めりといふ
【フェデリーゴ・ティニヨーソ】リミニの人
【トラヴェルサーラ、アナスタージ】ともにラヴェンナ第一流の家柄なりしが一三〇〇年の頃殆んど斷絶の悲境にありきといふ
【處】ローマニア
【愛と義氣】或ひは戀愛のため或ひは義侠のため騎士等が多くの冒險を試みしたしく苦樂を味ひたりしその昔の日をしのぶなり
一一二―一一四
【ブレッティノロ】(今ベルティノロといふ)フォルリとチェゼナの間の町にて前出グイード及びアルリーゴ・マナルディの郷里なり
【汝の族と多くの民】族はブレッティノロを治めしマナルディ家を指せるか。スカルタッツィニ曰く、こは一二九五年ギベルリニ黨がブレッティノロより逐はれしをいふと
一一五―一二〇
【バーニアカヴァル】バーニアカヴァルロ、ラヴェンナの西にある町。十三世紀の頃この町を治めしマルヴィチーニ伯爵家には男子なかりきといふ
【カストロカーロ】モントネの溪にある町
【コーニオ】イモラ附近の町
不徳の子孫仁侠の父祖に代りて君たれば惡しといへり
【パガーニ】ファーエンツァの貴族
【鬼】パガーニ家の家長マギナルド・パガーニ・ダ・スシナーナ(地、二七・四九―五一參照)
【去る】一三〇二年に死す
【徴】美名
一二一―一二三
【ウゴリーン・デ・ファントリーン】ファーエンツァの人、徳を以て知らる、一二八二年に死し、その二子また相尋で死して家絶ゆ
一二七―一二九
かの魂等足音によりてわれらが右にゆくを知り而して何をもいはざるは即ち我等が方向を誤らざる證據なり、若し誤らば彼等必ず我等に教ふべければなり
一三〇―一三二
【聲】見えざる靈の(淨、一三・二五―七參照)
一三三―一三五
嫉妬の罰の第一例としてカインをあぐ、カインは嫉みのためにその弟アベルを殺せし者なり(創世記、四・三以下)
【およそ我に】神罰をおそれしカインの詞(創世記、四・一四)
一三九―一四一
罰第二例。アグラウロはアテナイ王ケクロップスの女アグラウロスなり、その姉妹ヘルセがヘルメス神に愛せらるゝを嫉み、神罰を蒙りて化石す(オウィディウスの『メタモルフォセス』二・七〇八以下)
一四二―一四四
【これは】これ等の例は人の心を抑制して他人の福を嫉むことなからしむるための善き誡めなり
一四五―一四七
【汝等】世人
【敵】惡魔
【銜】罰の例(淨、一三・四〇―二註參照)
【呼】徳に誘ふもの即ち徳の例。鳥を呼ぶにたとふ(地、三・一一五―七註參照)
一四八―一五〇
【美しき物】諸星(地、三四・一三六―八參照)
一五一
これ故に神は汝等を罰したまふ
第十五曲
詩人等天使の教へに從つて階を踏み幸福の分與を論じつゝ第三圈即ち忿怒の罪の淨めらるゝところにいたる、ダンテこゝに異象によりて寛容柔和の例をみ後導者と共にすゝみて遂に一團の黒煙につゝまる
一―六
今見ゆる太陽と地平線との間は日出時の太陽と第三時(午前九時頃)の終りの太陽との間に同じ。即ち此時は日沒より三時間前(午後三時頃)なり
【球】太陽の天。そのつねに※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]轉して止まざること稚兒の戲るゝに似たり
【かしこ】淨火
【夕】Vespero 午後三時より日沒迄の間をいふ
【こゝ】イタリア。ダンテの計算に從へば淨火の午後三時はイエルサレムの午前三時に當り、聖都の西四十五度の位置にあるイタリアの夜半にあたる
一〇―一二
【輝】光輝のひときは強くなりてダンテの目を眩《くる》めかせしは(額を壓す)天使の光日光に加はりたればなり
一六―二一
ダンテは直接に天使より來る光を被はんとて手を目に翳せるもなほ間接の光(即ち天使よりいでて路にあたり反射してダンテを射る光)に堪ふる能はざりし次第を説きあかさんため光線反射の原理をこゝに敍せるなり
【くだるとおなじ】反射角の投射角と相等しきをいふ、この兩角相等しきがゆゑに反射線と垂線の間は投射線と垂線の間に等し
【垂線】原文、石の墜下(cader de la pietra)
二二―二四
【目は】光を避けんとてウェルギリウスの方にむかへるをいふ
三一―三三
罪清まるに從ひて光を喜ぶこといよ/\深し
三七―三九
【慈悲ある者】(
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