エりしかど遂に餓ゑの爲に死にたり
七九―八一
【うるはしき國】イタリア、「シ」siを然の意に用ゐる國なり
【隣人等】フィレンツェ、ルッカの人々
八二―八四
【カプライァ、ゴルゴーナ】チレニア海中の二島嶼、アルノ河口の西南にあり、ピサはこの河口に近く且つその兩岸に跨がる町なれば河水氾濫して全市の民溺れ死するを願へるなり
八五―八七
【城を賣れり】一三―五行註參照
【きこえ】ウゴリーノ伯が城を敵に渡せるは私慾を滿たさんためなりきとの流言當時行はれ僧正ルツジェーリ亦之を以て民心を煽動する一の利器たらしめし如し、されど伯のこの行爲はピサを窮厄の中より救ひ出さんとする苦肉の謀なりければダンテもこゝにたゞこれを世評として記載せるのみ、ウゴリーノのアンテノーラに罰せらるゝは己が權勢を大ならしめんためニーノ・ヴィスコンティを逐ひ却つて自らグエルフィ黨の禍ひを釀すにいたりたればなるべし
【十字架につく】苛責す
八八―九〇
【第二のテーべ】ピサ、テバイ(テーベ)は多くの殘虐行はれし處なればなり
【年若き】ダンテは事實を枉げて二子二孫皆幼少なりし如くしるせり、このうち丁年に滿たざりしはアンセルムッチオのみ
【ウグッチオネ】ウゴリーノの子にてガッドの弟なり
【イル・ブリガータ】アンセルッチオの兄、名をウゴリーノ又はニーノといふ、イル・ブリガータはその綽名なり
【此曲】五〇行及び六八行
九一―九三
以下トロメアを敍す
九四―九六
初めの涙凍りて次の涙を出でしめざるをいへり
九七―九九
【被物】visiere 眼鏡又は兜の表と解する人あり
【杯】眼孔
一〇三―一〇五
【地氣】太陽の熱によりて一種の氣地より生ずその乾けるもの風を起し濕れるもの雨を起すといへる古の學説によれり、ダンテは日光なき地獄の底に風あるをあやしめるなり
一〇六―一〇八
【源】地獄の王ルキフェルの翼(地、三四・五〇―五一)
一〇九―一一一
【最後の立處】第四圓即ちジュデッカ、詩人等をジュデッカに罰せらるべき魂なりとおもへるなり
一一二―一一四
【洩す】涙によりて
一一五―一一七
【氷の底】ルキフェルの許、ダンテは約を果すも果さゞるもいづれ地心にゆくべきものなればそのいへること誓言に似て誓言にあらず
一一八―一二〇
【アルベリーゴ】アルベリーゴ・ディ・マンフレディ。一二六七年より「フラーテ・ゴデンティ」(地、二三・一〇三參照)た
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