閧オことしるべし


    第三十曲

詩人等なほ第十嚢の堤をゆき詐僞によりて地獄に落ちし罪人の中姿を變へて欺ける者貨幣のまがひを造れるもの及び言によりて欺ける者を見る。
一―三
ヘラはゼウスがテバイ王カドモスの女セメレを愛せるを怨み、カドモスの全家に禍ひを下せることあり(オウィディウスの『メタモルフォセス』三・二五三以下參照)
【しば/\】カドモスの甥アクタイオンの横死、セメレの妹アガウエがわが子ペンテウスを殺せること等
四―六
【アタマンテ】アタマス。カドモスの女イノの夫にてテバイの王となれる者、イノが姉セメレの子バッコス(乃ちゼウスとセメレの間の子)を養育してヘラの怒りを招けるより禍ひアタマスに及びて心狂ふにいたれるなり
【妻】イノ
【男子】レアルコスとメリケルテス
七―九
オウィディウスの『メタモルフォセス』に曰く、いぎ侶よ網をこの林に張るべし我今こゝに二匹の仔ある牝獅子を見たりと(四・五一三)
一〇―一二
【荷】メリケルテス
一三―一五
【王】プリアモス(地、一・七三―五註參照)
一六―二一
【エークバ】ヘカベ。プリアモスの妻、トロイア城陷落の後虜はれてギリシア軍中にあり
【ポリツセーナ】ポリュクセナ、ヘカベの女、トロイアよりの歸途トラキヤに立寄れるギリシア軍アキレタスの靈を慰めんため(地、五・六四―六註參照)ポリュクセナをその墓前に殺せり(オウィディウスの『メタモルフォセス』一三・四三九以下)
【ポリドロ】ポリュドロス。ヘカベの子なり、ヘカベ、ポリュクセナの骸を淨めんとて海濱にゆきこゝにトラキヤ人に殺されしわが子ポリュドロスを見出せるなり(地、一三・四六―八註參照)
二二―二七
テバイのアタマス、トロイアのヘカベを狂はしめその他獸をも人をも狂はしむる瞋恚の一念
三一―三三
【アレッツォの者】グリッフォリーノ(地、二九・一〇九)
【ジャンニ・スキッキ】フィレンツェ市カヴァルカンティ家の一人
フィレンツェの貴族ブオソ・ドナーティなる者死するにあたりその子(或曰弟)シモン父が遺産の多くを他人に讓らんとするの意あるを察し遺言書を作らしめずブオソ死して後ジャンニに説き、これを床に臥さしめブオソ未だ死せざるが如く裝ふ、かくてジャンニは巧みに死者の聲調を似せて公吏を詐りこれに型の如くなる遺言書を認めしめきといふ
三七―三九
【ミルラ】神話に曰、ミルラはキュプロス島の
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