アはカイン(カイノ)(創世記第四章始め)が賞罰をうけ神に顧みられざりし野の植物を肩にして立てる姿なりといへるによれり(天、二・五以下參照)
【南半球】南半球は聖都イエルサレムと淨火の山を二個の頂點としイスパニアとインドの一部を境として分割せる南北二個の半球(三二六頁插圖參照)、その境を占むるは地平線にかゝるなり
【ソビリア】ゾビリア、イスパニアの西南にある町、月の沈むは年前六時頃
一二七―一二九
【昨夜】四月八日の前の夜にてこの時よりいへば一昨夜なり
【しば/\】しば/\路を照して


    第二十一曲

かくて第五嚢の上にいたれば下には煮ゆる脂たゝへ公私の職を利用して己の慾をはかれる者其中に沈めらる、ウェルギリウス、ダンテを岩蔭にかくし自らまづ進みて第六の堤に達し鬼の長マラコダとかたり後ダンテを呼びて一群の鬼と共に左に堤を傳ふ
一―三
【コメディア】地、一六・一二七―九註參照
七―九
【船廠】ヴェネツィア市の東端にあり、中古、世に名高き船廠なりしといふ
一〇―一二
【彼等】ヴェネツィア人
三七―四二
或ひは、彼いふ我等の橋のマーレブランケよ
【マーレブランケ】(禍ひの爪)第五嚢を守る鬼の總稱
【聖チタ】ルッカ市
聖チタは一二一八年ルッカの西北約五十哩にあるボントレモリの附近に生れ無垢の一生をルッカに送り一二七二年に死せる比丘尼の名なり、ルッカの人々特に尊び敬ふをもて町の名の代りとす
【アンチアン】ルッカ市の行政官、十人あり
【ボンツーロ】一四世紀の始めルッカ民黨の首領となれるものにて古註に汚吏の隨一とあり、外は反語なり
【否、然】ラーナの古註に曰、ルッカの公會にては議事の採決をなすにあたり二個の投票箱を會場に持來り其一には然の投票を入れしめ他には否を入れしむる例あり、かゝる時黄白のために心迷へる議員等否の投票をなすべき場合にも然をもて之に代らしむること屡※[#二の字点、1−2−22]ありと
四六―四八
【聖顏】「サント・ヴォルト」は昔東方より傳來しルッカ市聖マルチーノの禮拜堂に安置せられし木製十字架上のキリストなり、ラーナ曰、ルッカの人冥助を祈ることあれば、サント・ヴォルトよ今我を助けたまへといふを例とせりと
橋下の鬼等かの罪人が背を脂の外にあらはし恰も神前にぬかづく如くなるをみて嘲りてかくいへるなり
四九―五一
【セルキオ】ルッカの附近を流るゝ川、ルッカの人々
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